相続登記のすすめ方|何から始める?必要書類と手続きの流れをイラストで解説!

この記事の編集者

COM事務所代表

司法書士 小牟田 毅

司法書士法人COM事務所 代表司法書士
福岡県司法書士会所属

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  • 「相続登記」をどのように進めていけばよいのか、実際の手順を順を追ってご説明します。
  • 何から手をつければよいのか分からない、という方にとって、見通しを持っていただけるきっかけになれば幸いです。

相続登記をするには、まず何が必要か

 前回の記事では、「相続登記をしていないと過料が来る」と言われる場合の、具体的な手続きの流れ(登記官の催告から裁判所の過料決定まで)について、関係する条文を参照しながら解説しました。

 相続登記を申請するためには、まず、大きく分けて次の2つを明らかにする必要があります。

  1. 誰が相続人なのか(相続人の調査・確定)
  2. どの不動産を、誰が取得するのか(相続財産の調査・遺産分割)

 この2つが固まらないと、法務局に「相続人の名義に変更してください」という内容の登記申請ができないことになります。まずは、この2つを順番に見ていきましょう。前回の記事では、「相続登記をしていないと過料が来る」と言われる場合の、具体的な手続きの流れ(登記官の催告から裁判所の過料決定まで)について、関係する条文を参照しながら解説しました。

 相続登記を申請するためには、まず、大きく分けて次の2つを明らかにする必要があります。

  1. 誰が相続人なのか(相続人の調査・確定)
  2. どの不動産を、誰が取得するのか(相続財産の調査・遺産分割)

 この2つが固まらないと、法務局に「相続人の名義に変更してください」という内容の登記申請ができないことになります。まずは、この2つを順番に見ていきましょう。

 STEP1:相続人を確定する

 被相続人(亡くなった方)の法定相続人が誰なのかを確定するためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を、すべて取得する必要があります。

 戸籍謄本等は、その戸籍に記載のある人の「親族(祖父母、親などの直系尊属、子、孫などの直系卑属、兄弟姉妹など)」「婚姻・離婚」「養子縁組・離縁」「認知」などの記載がありますので、出生から死亡までのすべての戸籍謄本等を取得して確認することにより、被相続人の相続人を把握することができます。
 被相続人に前の婚姻歴があり認知した子がいる養子がいるなど、ご家族が把握していない相続人がいないかを確認する必要があるため、必ず被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を確認するところから始めます。

 また、相続人となる方それぞれの戸籍謄本(現在の戸籍)も必要になります。

 なお、2024年3月1日から戸籍の広域交付制度が始まっており、本籍地が遠方であっても、お近くの市区町村の窓口でまとめて請求できるようになりました。
(ただし、請求できる戸籍等は請求する本人、配偶者、直系尊属、直系卑属の分で、兄弟姉妹の戸籍等は含まれていません。それでも親が死亡した場合は、その子が近くの市町村で親の出生から死亡までの戸籍等が全て取得できるので、戸籍取得事務の煩雑さはかなり軽減されています)

 広域交付制度については、下記の法務省のWebサイトに掲載されています。
 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html

STEP2:相続財産(不動産)を確認する

 次に、相続の対象となる不動産を確認します。次のような資料が手がかりになります。

  1. 固定資産税の納税通知書(毎年春頃に届くもの)
  2. 名寄帳(市区町村で取得できる、その方が所有する不動産の一覧)
  3. 法務局から交付される所有不動産記録証明書(※これについては後日別で記事掲載予定です)

 2の名寄帳は「同じ市区町村内で、その方が名義人になっている不動産の一覧」を確認でき、固定資産税評価額(相続登記の登録免許税の計算に必要な金額)も記載されているため便利です。また、把握していなかった不動産がこれで見つかることもあります。
 ただし、名寄帳は不動産が所在する市区町村ごとに別々に管理されているため、複数の市区町村に不動産をお持ちだった場合は、それぞれの市区町村で確認する必要があります。

 

 その後、法務局で不動産の登記簿(全部事項証明書)を取得し、所有者の確認などをすることが通常です。 

STEP3:遺産分割の方法を決める

 相続人と不動産が確定したら、その不動産を誰がどのように取得するのかを決めます。

 遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容に従います。遺言書がない場合は、相続人全員で話し合い(遺産分割協議)、不動産の取得者を決めます。

 遺産分割協議がまとまったら、その内容を遺産分割協議書という書面にし、相続人全員が署名し、実印を押印します(この際、相続人全員の印鑑証明書も必要になります)。
 なお、遺産分割協議書は、1部に各相続人が連名で署名捺印する方式(連署)する方法のほか、遺産分割証明書という「遺産分割協議をしたことを証明する」という内容の証明書に、各相続人がそれぞれの証明書に署名捺印をする方法もあり、相続登記の実務では利用されることもあります(相続人が離れた場所にいるときなどでも遺産分割協議書を回送する手間を省くことができます)。

 なお、前回もお伝えしたとおり、遺産分割協議がすぐにまとまらない場合には、ひとまず「相続人申告登記」をしておくという選択肢もあります。

STEP4:必要書類を準備する

 相続登記の申請にあたって、一般的に必要となる書類は次のとおりです。ケースによって必要な書類は異なりますので、あくまで目安としてご覧ください。

書類入手先
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)・除籍謄本本籍地の市区町村役場
被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)最後の住所地の市区町村役場
相続人全員の戸籍謄本各相続人の本籍地の市区町村役場
不動産を取得する方の住民票居住地の市区町村役場
遺産分割協議書又は遺産分割証明書(協議による場合)相続人で作成
不動産を取得する方以外の相続人全員の印鑑証明書
(協議による場合)
各相続人の居住地の市区町村役場
固定資産評価証明書不動産所在地の市区町村役場

STEP5:法務局に登記を申請する

 必要書類が揃ったら、不動産の所在地を管轄する法務局に、相続登記(所有権移転登記)の申請を行います。

 申請の方法には、次の3つがあります。

  • 法務局の窓口に直接登記申請書(と添付書類)を持参する
  • 登記申請書(と添付書類)を郵送して申請する
  • オンライン(インターネット)で申請する

 申請が受け付けられると、法務局による審査が行われます。書類に不足や誤りがあれば、補正(訂正など)を求められることもあります。審査が完了すると、登記が完了し、新しい名義人の登記識別情報通知(不動産権利情報)が法務局から発行され、相続人名義の登記事項証明書を取得できるようになります。

どのくらい時間がかかるのか

 相続人の調査・戸籍収集にかかる時間は、ご家族の構成によって大きく異なります。相続人が少なく、書類もすぐに揃う場合は、数週間程度で申請に至ることもあります。

 一方で、次のようなケースでは、時間がかかりやすい傾向があります。

  • 相続人の数が多い(兄弟姉妹が相続人になる場合や、何代も相続が続いている場合など)
  • 相続人の中に、長期間連絡を取っていない方がいる
  • 戸籍の収集に、複数の市区町村への請求が必要になる

 特に、以前ご紹介した「数次相続」(相続の手続きが終わらないうちに次の相続が発生する状態)に該当する場合は、関係者が増え、戸籍の収集や同意の取得に、想定以上の時間がかかることがあります。

ご自身で進める場合と、専門家に依頼する場合

 相続登記は、ご自身で進めることも可能な手続きです。ただし、次のような場合には、専門家への依頼を検討される方が多いという印象があります。

  • 戸籍の収集だけで何代も遡る必要がある
  • 相続人の中に、これまで面識のない方がいる
  • 相続人の中に、未成年者や認知症の方がいる
  • 平日に役所や法務局へ行く時間が取りにくい

 まずは「STEP1:相続人を確定する」「STEP2:相続財産を確認する」から始めていただくことで、その後の見通しが立てやすくなるかと思います。また、途中までご自身で実施していただくことで、専門家への手数料負担が軽減できることもあると思います。

編集者より一言
ーEditor’s Wordsー

  • 相続登記の手続き自体は、順を追っていけば自身でも実施可能です。ただ、戸籍の収集や相続人間の調整、相続人間での遺産分けをはじめるには、思いのほか時間がかかることが多いというのが実感です。
  • 「何から始めればいいか分からない」という段階でも、まずは戸籍を1通取ってみる、固定資産税の通知書を確認してみる、というところから始めていただければと思います。動き出してみると、次に何をすべきかが見えてくることが多いものです。

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